◆豚の心根(しんね)、クダの本音◆

 あれはいつのことでしたか。馬刺と桜焼を取材にみえた
遠来のスタッフの方々が一通りの取材を終えられた後、
「こんなものでもいかがですか?」と、
何気なくつまみの一つにオススメしたところ、

「<クダ>?こんなの、ほかの店には無いですね」
硬すぎず、柔らかすぎず、珍しい歯ごたえだ」
「う〜ん、とにかくうまい!」
と、目を輝かされ、
「これも、ぜひ!」
と仕舞った機材を取り出され、追加の取材になったのを思い出します。

クダは“ちくわ”や“マカロニ”などとも呼ばれていますが、
本来“豚の心根(しんね)”ともうします。

一頭ごとの質の違いが大きくて、選別にひときわ注意が必要です。
 さらに、加熱後の“見掛け倒し”を避けるためにも、基本の基本、
やっぱり試食が一番なのです。ただ、一頭から七、八切れしか採れ
ない品で、わずかにお一人前でも豚、数頭分が必要です。
ここがクダの泣き所、数十頭もの完全試食は至難の技という訳です。
でもクダをご贔屓(ひいき)の大事な大事なお客様、
「厨房さん、出っ張りお腹気にせんでグタグタ言わんで・・・」

心根の本音のお話なのです。